2024年1月19日
日本弁理士・米国弁護士
齊藤 尚男
本事務所代表の齊藤尚男が執筆した博士論文「『ライセンス亜種』とウェブ3.0時代の知的財産―知的財産法と契約法の交錯の中で―」が完成しました。京都大学博士課程法学研究科にて、愛知先生のご指導の下、企業内および外部事務所の実務家の目線を通して、長年のライセンス・訴訟実務から生み出した考え方を提示するものです。
本研究は、法学理論的な観点から特許権を積極的な専用権とみるか、単なる禁止権として消極的権利とみるか、という特許権の本質をどう捉えるかという点で、実施権と権利不主張の違い、standstillやdefensive termination、springing licenseといった筆者が「ライセンス亜種」と呼ぶものや「契約による相対化」、「消尽の迂回」等に亘って分析し、オープンイノベーションやAIやIoTに係る新技術ビジネスの現状を踏まえ、データ保護のあり方や特許制度の再構築を提案するというような発展を試みるものです。
2024年、本論文を全文を掲載するとともに既刊の諸論文を再編集した「ライセンス亜種と知財信託ー知財デューデリジェンスにおける特許の価値評価ー」と題した単著による論文集の単行本を刊行予定です。また、村田財団のAnnual Report No.37 2023に本論文の抄録が掲載予定です。
▼抄録のダウンロードはこちらから
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