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2024 年 1 月 グローバル知財 最新事情 No. 3 英国ロンドン高等裁判所Optis v. Apple事件の概要

  • 執筆者の写真: Takao Saito
    Takao Saito
  • 2024年1月19日
  • 読了時間: 4分

更新日:2024年6月25日

2024 年 1 月 グローバル知財 最新事情 No. 3

英国ロンドン高等裁判所Optis v. Apple事件の概要



2024年1月19日

日本弁理士・米国弁護士 齊藤尚男



(1)はじめに

 2023年5月10日、ロンドン高等裁判所のMarcus Smith判事によって下された判決 ( [2023] EWHC 1095 (Ch)) にて、OptisがAppleに対して提起していた裁判で、ロンドン高等裁判所は、InterDigital v. Lenovo事件に続いて、標準必須特許(「SEP」)のライセンスに関するFRAND(公正、合理的、非差別的)条件を決定した。「トップダウン」アプローチを採用するとともに、「コンパラブルライセンス」アプローチとして双方の既存契約を参照した後、裁判所はAppleに対し、総額$56.43Mのロイヤリティと過去の侵害に対する利息を支払うよう命じた。以下に本判決の判示事項の概要を示す。


(2)判示事項

  1. 裁判所は、提供された事実と証拠に基づいて、裁判所は一括金支払いの支払いを命じた。InterDigital 判決で採用されたアプローチ (一括金額を算出するために、比較可能なライセンスに基づいて単位あたりの料金を決定する) とは対照的に、Optis事件で裁判所は、Apple が支払わなければならない金額を決定するために「トップダウン」アプローチを軸に、AppleがOptis以外の特許権者と締結したライセンス契約をもとに、必須宣言された特許総数(判決ではStackと呼ばれる)のロイヤルティ総額を計算し、スタック全体 (つまり、規格に対して宣言されたすべての特許) の Apple に対する価値の価格を求め、その価格をスタックにおける Optis の持分に応じて比例配分することとした。

  2. 具体的な算定方法として、Innography社のデータに判決時点の特許数の増減等を加味して、Stackを22,000とし、Optis保有の135ファミリーをもとにOptisのStackのシェアは0.51%としながら、これをさらに83ファミリーと限定した。公開された判決では詳細はマスキングされているが、Optisの特許シェアは最終的に0.38%だったとした。

  3. Stackに対するロイヤリティの総額については、Appleが既に締結しライセンス契約の一括金から異常値等を調整して算出し、Stackに対する年額ロイヤリティを算出している。裁判所は、Optisシェア0.38%に基づくAppleのOptisへのFRANDレートを年額$5.13Mとした。

  4. この結果、将来分の年間ロイヤリティを$5.13Mとするとともに、裁判所は、Appleが過去の侵害に対して$30.78M(6年間の免責に基づく)と5%の複利を加え、将来の期間に関しては$25.65Mを支払うべきであると結論づけた。


(3)実務に与える影響

  1. 本判決は、2020年に英国最高裁で棄却されたUnwired Planet v Huawei 事件並びに Conversant v Huawei 及び ZTE 事件、InterDigital v. Lenovo事件に続くグローバルFRANDレート関連の英国判決として注目される事件である。

  2. 本判決は、非常に長大な判決であり(285頁)、双方からの数多くの専門家意見が慎重に検討され、ヒアリングも数多く開かれ慎重に双方の主張が審理された。英国における特許専門の弁護士や各専門家の費用などを考えると、英国におけるグローバルFRAND判決を得るのに必要な訴訟費用は莫大であろうことが推測できる。

  3. 一方、判例法の国でありながら、Unwired Planet v Huawei 事件(FRANDレートを判決により決定)、InterDigital v. Lenovo事件(主にコンパラブルライセンスとして、特許権者と特定の既存ライセンシーとの既存契約をもとにFRANDレートを決定し、一括金を算定)、Optis v. Apple事件(トップダウンアプローチにコンパラブルライセンスとして、Apple側の既存ライセンス契約を参酌して年額を決定し一括金を決定)の3つの事件はそれぞれグローバルFRAND料率を導く方法や理由付けなどがまちまちであって一貫していない。これは、英国における判決が予測可能性を欠いているともいえるかも知れない。

  4. 本判決のように、ライセンシー側が自己の既存契約をもとにスタック額を計算すると、ライセンシーごとに異なる年額が導き出されてしまうために、FRAND料率といってもすべてのライセンシーに公平なひとつの料率となるのではなく、ライセンシーの過去の支払額に応じたライセンシーごとに異なったものとなってしまう。今後、この点がさらに議論されていくことが予測される。すなわち、FRAND料率とは、ある「幅」を意味するのか、ある「点」の特定の両率を意味するのか、という議論が今後、世界中の裁判所で議論されることを当事務所としては予測する。


※本ニュースレターは情報提供目的で作成されており、法的助言ではありませんのでご留意ください。また、本ニュースレターは発行日(作成日)時点の情報に基づいており、その時点後の情報は反映されておりません。特に、速報の場合には、その性格上、現状の解釈・慣行と異なる場合がありますので、ご留意ください。本ニュースレターは、各位のご参考のために一般的な情報を簡潔に提供することを目的としたものであり、当事務所のアドバイスを構成するものではありません。一般的情報としての性質上、法令の条文や出典の引用を意図的に省略している場合があります。



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(本和訳は、機械翻訳を使ったものであり、正確性を期したものではありません。長大な判決原文を理解するため、あくまで参考訳としてご活用いただけることを祈念して当事務所として公開をすることといたしました。ご理解いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。)






 
 
 

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